初心者でもわかる！GA4で簡単にキーイベント（コンバージョン）を設定する方法
GA4の基礎知識：キーイベントとは？
キーイベントの役割と重要性
GA4では、ユーザーがWebサイトやアプリ内で特定の行動を取った際に、それを「イベント」として記録する仕組みがあります。その中でも特に重要なイベントを「キーイベント」として設定することで、ビジネスゴールの達成状況を把握しやすくなります。たとえば、会員登録や商品購入、コンタクトフォームの送信といった行動をキーイベントとして登録しておくことで、マーケティング効果やユーザー行動の分析がより精度高く行えます。こうした設定は、目標達成の状況を明確にし、次の施策への改善ポイントを発見するために欠かせません。
コンバージョンイベントとの違い
GA4では、「キーイベント」と「コンバージョンイベント」は似たような概念ですが、少しニュアンスが異なります。コンバージョンイベントは具体的な成果を表すイベントで、たとえば「購入完了」や「資料請求」など、Webサイトのゴールに紐づく行動に使われます。一方、キーイベントは、今後の分析や最適化のために重要と考えるユーザー行動全般を指します。なお、GA4では「コンバージョン」が「キーイベント」に名称変更される予定があるため、この使い分けに注意が必要です。
GA4で計測できるイベントの種類
GA4では、大きく分けて以下の4種類のイベントを計測できます。
- 自動収集イベント: GA4導入時に自動で記録されるイベントで、ページビューやセッション開始が含まれます。
- 拡張計測イベント: 特定の追加設定なしで有効化可能なイベントで、スクロールやファイルダウンロードなどを記録します。
- 推奨イベント: Googleがあらかじめ提供するフォーマットに従うイベントで、「購入」や「ログイン」などが例として挙げられます。
- カスタムイベント: 自分で定義したイベントで、特定のニーズに対応するために柔軟に設定できます。
これらのイベントを活用し、コンバージョンやキーイベントとして重要なものを区別して分析することで、より的確なデータに基づいた改善が可能になります。
キーイベント設定が必要なケース
キーイベントの設定が必要になるのは、特に以下のようなケースです。
- ゴールを明確化したい場合: たとえば、資料請求や会員登録といった明確な成果を測定するとき。
- ユーザー行動を深く理解したい場合: 特定のページ閲覧や重要なボタンのクリックなど、成果に直結する行動を把握したいとき。
- キャンペーンの効果を測りたい場合: 広告やプロモーション施策の成功を判断するために、成果を追跡する必要があるとき。
- 高度なマーケティング活用を目指す場合: GTMを利用し細かい行動をトリガーとしてデータを取得し、その後GA4でコンバージョンとして活用したいとき。
こうした必要性に応じてキーイベントを設定しておくことで、マーケティングや運用の精度を向上させることができます。
GA4でキーイベントを設定するための準備
Googleタグマネージャー（GTM）の導入方法
Googleタグマネージャー（GTM）は、Webサイトやアプリケーション上のタグを一元管理できる無料ツールです。GA4でキーイベントを設定する際には、GTMを活用することでより簡単かつ柔軟に設定が可能になります。導入手順は次の通りです。まず、GTMの公式サイトにアクセスしてアカウントを作成します。その後、新規コンテナを作成し、対象のWebサイトの種類（ウェブ、iOS、Androidなど）を選択してください。そして、提供されるGTMコードをWebサイトのヘッダー部分とボディ部分に設置することで導入が完了します。この段階でGTMが正常に動作しているかを確認し、次の準備に進めましょう。
GA4測定IDの取得手順
GA4におけるイベント計測やコンバージョン設定を行うには、GA4測定ID（Measurement ID）の取得が必要です。この測定IDは、GA4プロパティごとに固有であり、GTMやその他のツールと連携する際に利用されます。まず、Googleアナリティクスにログインし、新しいGA4プロパティを作成または既存のプロパティを選択します。そして、「データストリーム」を選択し、該当のウェブストリームを開きます。ここで表示される「測定ID」（例: G-XXXXXXXXXX）を記録しておきます。この測定IDは後のタグ設定やイベントトラッキングに必須なので、忘れずに確保してください。
必要なトリガーと条件を洗い出す
GA4でキーイベントを効果的に設定するためには、どのようなユーザーの行動を計測対象にするかを明確にすることが重要です。たとえば、特定のページに到達したことやボタンをクリックしたことを計測する場合、その条件に該当するトリガーを特定する必要があります。たとえば、「申し込み完了ページ」でコンバージョンを記録したい場合、完了ページのURLを「/entry/entry-complete/」のように具体的に設定します。また、複数の条件が必要な場合（例: ボタンのクリック + 特定ページへの到達）、それらを組み合わせてトリガーを作成します。これにより、GA4におけるデータ分析やマーケティング活動の精度を高めることが可能です。
事前に確認しておきたい注意点
GA4でキーイベントを設定する際には、いくつか留意すべきポイントがあります。まず、測定対象イベントを確実に識別できるよう、イベント名やトリガー条件を明確にしてください。また、データの計測が正確に行われるかを事前にテストすることも重要です。特にGTMを使用する場合、プレビューモードを活用し、設定が正しく動作しているかを確認しましょう。さらに、複数のイベントを同時に管理する場合は、命名規則を統一しておくと後の運用がスムーズです。最後に、Webサイトやアプリの更新がトラッキングに影響を与える場合があるため、定期的な確認とメンテナンスを行うことを推奨します。
GTMを使ったキーイベントの設定方法
新しいタグの作成と基本設定
GTMを使ってGA4のキーイベントを設定するためには、最初に新しいタグを作成する必要があります。タグとは、特定の条件下で動作するように設定されたコードのことで、ユーザーの行動データを収集する役割を果たします。まず、GTM管理画面にログインし、「タグ」のセクションから「新規」をクリックしましょう。
タグの基本設定では、タグの種類を「Google Analytics: GA4イベント」に設定します。その後、GA4測定ID（前もってGA4プロパティから取得しておく必要があります）を入力し、イベント名を指定します。イベント名はわかりやすい名前を付け、Webサイト内の目的に合った配信内容を反映させるようにしましょう。これにより、GA4内でイベントを正確に管理できます。
トリガーの設定手順
次に、設定したタグが発動する条件（トリガー）を決めます。たとえば、ユーザーが特定のページに到達した際や、ボタンをクリックした際にイベントをトリガーさせるケースが挙げられます。GTM管理画面の「トリガー」メニューから「新規」を選択し、トリガーのタイプを選びます。
たとえば、特定の完了ページへ到達したことを条件にする場合、「ページビュー」をトリガータイプとして選択し、「いくつかのページビュー」で条件を指定します。条件には「Page URL」「含む」「/entry/entry-complete/」など、該当ページがわかるキーワードを入力します。名前は「完了ページ到達トリガー」のように内容が明確に分かるようにしましょう。これで、指定の条件が満たされた場合のみタグが発動するように設定できます。
テストで正常動作を確認する方法
タグとトリガーの設定が完了したら、次に必要なのがテストです。GTMには「プレビューモード」が用意されており、これを使うことで設定したタグやトリガーが正しく動作しているかを確認できます。GTMの画面で「プレビューモード」に切り替え、テストページを開いてみましょう。
プレビューモードでは、そのページに訪れた際に発火するタグがリスト化されます。指定したトリガーで正しくタグが発火しているかを確認し、問題がないかどうか検証します。意図した動作になっていない場合は、タグ設定やトリガー条件を見直しましょう。このステップをしっかり行うことで、後のデータ計測の正確性を保つことができます。
タグの公開とGA4との連携
テストでタグの正常動作が確認できたら、最後にタグを公開します。タグの公開とは、設定を反映させて本番環境で実際に機能するようにする作業です。GTMの「公開」ボタンをクリックし、変更内容を保存してください。これにより、ユーザーが条件を満たした際に、GTMを通じてGA4にイベントデータが送信されます。
公開が完了したら、GA4の管理画面で発生したイベントを確認しましょう。この時、キーイベントとして設定するイベントが正しくリアルタイムで反映されているかどうかを確認することが重要です。すべてが問題なく動いている場合、必要に応じてGA4上でそのイベントに「コンバージョン」のマークを付ければ、主要な行動データとして記録されます。
GA4でキーイベントをコンバージョンとして登録する方法
GA4管理画面での設定手順
GA4でキーイベントをコンバージョンとして登録するためには、まず管理画面での設定が必要です。手順は以下の通りです。
1. GA4管理画面にアクセスし、左側のメニューから「イベント」を選択します。
2. イベントのリストから、コンバージョンとして登録したいイベントを見つけます。GTMで設定したイベントや自動で取得されているイベントもここに表示されます。
3. 登録するイベントの右側にある「コンバージョンとしてマークを付ける」スライダーをオンにします。これにより、このイベントがコンバージョンとして計測され始めます。
これで、GA4の管理画面でキーイベントをコンバージョンとして登録することができます。この設定により、指定したゴール達成がデータとして記録され、分析の際に活用できるようになります。
イベント名の命名規則とルール
イベント名を設定する際には、GA4では識別や管理がしやすいよう命名規則を守ることが推奨されます。特にGTMでイベントを作成してGA4で利用する場合、明瞭な名前を付けることが重要です。
イベント名は英小文字やアンダースコアを使用して記載するのが一般的です（例: "purchase_complete"や"form_submission"）。スペースや特殊文字は避けましょう。ガイドラインに従った命名を行うことで、データの一貫性が保たれ、今後の分析作業や設定変更が容易になります。また、同じ名前のイベントが複数存在しないよう気をつけることも重要です。
コンバージョン設定を反映させる
GA4で設定を変更した後は、そのコンバージョンの反映を確認することが大切です。コンバージョンが正しく記録されるかどうかをチェックするには、以下の方法を試してください。
1. 「リアルタイム」レポートで、選択したキーイベントが計測されているか確認します。リアルタイムでデータが表示されれば、設定が正常に反映されています。
2. 設定後は、一定期間（通常24時間）データの反映を待ち、その後標準の「コンバージョン」レポートでデータを確認します。
反映されていない場合は、GTMで設定したタグやトリガーが正常に動作しているかも併せて確認してください。設定のミスや条件が適切でない場合、コンバージョンが反映されないことがあります。
レポートで成果を確認する方法
コンバージョン設定が正常に完了したら、GA4の各種レポートで成果を確認できます。最も簡単な方法は「コンバージョン」レポートを活用することです。このレポートには、日時別、デバイス別、チャネル別など、さまざまな切り口でコンバージョンの詳細データが表示されます。
また、リアルタイムレポートでは、設定したキーイベントがその場でトリガーされているかをチェックできます。これにより、設定直後のデータ検証が可能です。さらに、「エクスプロレーション」を使用してより詳細なカスタムレポートを作成することもできます。
集計されたデータを基に、ユーザーの行動を分析し、次のマーケティング施策やサイト改善に活かしましょう。GA4による柔軟なレポート機能は、コンバージョンの拡大につながる貴重なインサイトを提供します。
トラブルシューティングと活用方法
よくある問題と解決策
GA4とGTMを活用してキーイベント（コンバージョン）を設定する際には、いくつかの問題が発生することがあります。例えば、設定したイベントが正しく計測されない場合、主な原因として以下のような点を確認する必要があります。
1. トリガーやタグの設定ミス: GTMでのトリガー設定の条件が正確でないと、期待したタイミングでタグが発火しません。条件設定の際、URLやページパスなどの指定が正しいか再確認しましょう。
2. GTMの未公開状態: 作成したタグを公開するのを忘れるケースがあります。GTMプレビュー機能や「送信」ボタンの操作を確認することで問題を防げます。
3. GA4との連携不備: GTM側で発火したタグがGA4に正常にデータを送信していない場合、GA4測定IDが正しく入力されているかをチェックしましょう。また、リアルタイムレポートでイベントの発生状況を確認することも有効です。
これらの問題が発生した際には、一度トリガーやタグを見直し、必要な条件が正しく設定されているか段階的に確認することが解決への近道です。
複数イベントを管理する際のコツ
GA4とGTMを使用して複数のイベントを管理する場合、それぞれのイベントが他のイベントと混同しないよう、賢明なルールを設定することが重要です。
まず、イベント名に関しては分かりやすく、一貫性のある命名規則を作成することをおすすめします。例えば、「form_submission」「purchase
_complete」など、具体的で内容が一目で分かる名前にすることで、後でレポートを閲覧した際の解釈が容易になります。
また、GTMで管理する際は、各イベントに専用のタグとトリガーを設定し、それらを整理するためにフォルダ機能を活用すると作業がスムーズに進みます。
さらに、イベントの発生条件を優先順位化し、想定外のデータ収集が発生しないよう注意を払いましょう。具体的には、不要なイベントや重複した計測が行われないよう、事前にテスト環境でシミュレーションすることが効果的です。
設定データのバックアップと管理
GA4やGTMの設定データは、運用を続ける中で重要な資産となります。そのため、定期的にバックアップを取ることを忘れないようにしましょう。
GTMの場合、バージョン管理機能を活用すると、過去の設定に簡単に戻すことができます。タグやトリガーを変更する前に現在のバージョンを保存しておくと、安全に運用を続けられます。
GA4の設定については、運用ルールや手順書を作成しておくと、万が一のトラブル時にも役立ちます。特に重要な設定やキーイベントの一覧は、関係者全員が共有しやすい形で管理しておくことを心がけましょう。
また、複数のプロパティやサイトを管理する場合、Googleドライブや他のクラウドツールを利用してドキュメント化することで、効率的に全体を把握できます。
GA4データを活用したマーケティング戦略
GA4で取得したイベントデータは、マーケティング戦略を改善するうえで非常に価値があります。まずは、収集したキーイベントのデータをもとに、訪問者の動向を把握しましょう。たとえば、「特定のページへの到達率」や「資料請求フォームの完了率」などを細かく分析することで、ユーザーの興味や課題を明確にできます。
さらに、GA4データを活用してサイト全体の改善を図る場合、複数のコンバージョンデータをセグメント化して比較する方法がおすすめです。例えば、新規訪問ユーザーとリピート訪問ユーザーの行動パターンをイベントごとに分けて分析することで、効果的な施策を導き出せます。
また、Google広告や他のマーケティングツールと連携することで、コンバージョンデータを入札戦略に反映させることも可能です。このように、GA4のデータを生かした施策を展開することで、マーケティング効果を最大化できます。